タカラユーザーサポートショップFEAST 鋳物ホーロー浴槽の話

FEAST看板B
トップページ
製品を知ろう!
- お手入れ方法 -
  ・キッチン
  ・システムバス
タカラメーカーサイト
メンテナンス
取り扱い説明書
お問い合わせ
特定保守製品について
タブー集
マンションにお住まいの方
ちょっと一服
知っ得情報コーナー


鋳物ホーロー鍋
ホーローgoods
 
 
 
 


鋳物システムバス

プレデンシア

インペリオ
サイト内関連ページ


タカラHP
プレデンシア
インペリオ
単体鋳物浴槽
   『お風呂の王様』 鋳物ホーロー浴槽の話 

 昔からある鋳物ホーロー浴槽について、『お風呂の王様』と言われる理由を、このページを通じて伝われば幸いです。

   
◆ 鋳物ホーローとは  
 鋳物ホーローは、鋳鉄の表面にガラスをコーティングしたもので、鋳鉄の良さとガラスの持つ良さをミックスして、互いの弱点もカバーする効果があります。
  タカラでは単体の鋳物ホーロー浴槽、システムバスの鋳物浴槽タイプの製品を送り出しています。
  タカラ製品以外では、鋳物ホーロー鍋が特に有名で、料理好きの方には無くてはならない存在ですが、どちらもこだわりの逸品と言えます。*鋳物ホーロー鍋は別項掲載


◆ 鋳物について  
 鋳物ホーロー浴槽の本体になる鋳物は、鉄を砂で作った型の中に流し込み成形して作られます。このような工法は、大昔(日本でも紀元前)から継承され技術改良を経ながら今日に至っています。古くは古墳などから出土する銅鏡・銅鐸(鉄がまだ無かったころ)なども鋳物ですし、お寺の梵鐘も鋳物で作られています。近代でも門柱表(学習院正門は重文)や国立競技場の聖火台が有名です。もっと身近ではマンホールの蓋がそれです。どれも丈夫で耐久性に優れ時間が経つごとにその良さが出てくる鋳物ならではの特徴があります。
国立競技場聖火台

◆ 鋳物ホーロー浴槽の良さとは  

 鋳物ホーローは上記の鋳物を成形した上に釉薬を焼き付けグラスコーティングした物です。
 
  そしてその特徴は・・

保温性に優れ身体の芯まで温める効果があります。
滑らかな表面は特に肌触りが良く、一日の疲れを癒してくれます。
ガラス質の表面は固く(硬度6)キズが付きにくい為雑菌がつかず大変衛生的でお手入れも楽に出来ます。
ホルムアルデヒロ発散ゼロでアレルギーに心配な方も安心です。
堅牢な浴槽は岩風呂に入った時と同じように安心と信頼感を感じます。
幾層にも重ねコーティングした深みある光沢はインテリア性も高く極上の雰囲気を演出してくれます。

 どれをとっても他の素材の中でもトップクラス、だから、『お風呂の王様』『KING OF BATH』と言われる所以なのです。



◆ 浴槽の変遷 浴槽素材の流れ  
現在、主流になっている浴槽の材質は、人造大理石、FRP、ステンレスですがいずれも鋳物より新しい材質ばかりです。それぞれ特徴がありますが一覧にしたのが下の表です。  

*保温性はあくまで単純に素材の比較です。保温材で十分に処理されていれば使用時は問題ありません。

 風呂自体は世界中で太古の昔からありますが主に蒸し風呂が多かったようです。日本でも同様で、古くは平安時代には上流貴族が蒸し風呂を使っていた記述が文献に残っています。入浴の習慣は行水と融合して江戸時代あたりから広く普及してきた考えられています。

 そして有名なのが五右衛門風呂ですが石川五右衛門は安土桃山時代ですから江戸時代以前からあったと思われます。TVドラマの水戸黄門で由美かおるの入浴シーンは人気がありましたが・・当時は四角い浴槽ではなかったはずですが?。
 
 五右衛門風呂の構造は下図のように風呂の底から直火で炊き上げる構造になっていますので、火が当たる部分に鋳物が使われています。また浴槽全体を鋳物にした浴槽(長州風呂)もありました。しかしこの時点ではホーローをコーティングは施していません。底は熱くなりますので踏み板を入れたり、下駄をはいて入ったそうです。そして一番右の写真はなんとタカラで今も販売している直火焚き鋳物ホーロー浴槽です。焚き口から薪を入れて焚きます、完全なアナログです。写真にはありませんが、もちろん煙突も必要です。地域によって施工も使用も出来ません。現在では直火焚きにこだわる人向けの趣味の領域になる製品です。

                               タカラ直火焚き浴槽
 近代になり直火焚きから給湯方式(落とし込み)や循環式にお湯の沸かし方が変わるにつれ、鋳物である必要もなくなり、代わりの素材が出てきました。

 時代順に、ポリ浴槽~FRP~ステンレス~人造大理石などが開発され今に繋がっています。その過程で鋳物ホーロー浴槽は施工性が他の素材と比べ難しく(重量・穴あけ加工など)ユーザーではなく現場施工の面から嫌厭されたのが実情です。しかし良いものはいつの時代でも愛されます。今でも無くてはならない製品です。

◆ タカラ鋳物ホーロー浴槽シリーズ
インペリオ プレデンシア マンション向け伸び伸び浴室 単体鋳物浴槽


◆ 鋳物ホーロー浴槽のお手入れ・鋳物の黒サビ
 前述しました鋳物で作られた門柱表や聖火台、マンホールは塗装もしていないのに365日雨ざらしで、嵐の日も、紫外線の多い真夏の炎天下の下でも、何十年もさほど変化なく存在しています。大変丈夫な材質ですが、それは表面が酸素と触れて酸化することで被膜(酸化被膜)が出来、その被膜が腐食から身を守っているわけです。ステンレスが錆びにくいのと原理は同じです。しかしステンレスの酸化皮膜は無色なのに対して鋳物の酸化皮膜(fe304)は黒くなります。そこから『黒サビ』とも言われます。
 
  鋳物ホーローはその丈夫な鋳物の表面に釉薬をかけ1000℃近い温度で数回焼成して作られていますので堅牢な下地の上にガラスが融着しています。表面の性質はガラスと同じですので、お手入れは実に簡単です。普段のお手入れは表面に付着している脂肪・蛋白質などを落とすだけですので市販のバスタブ用中性洗剤で十分です。永く使っていると浴槽のカラーにもよりますが、特にフランジ部分(浴槽最上部)に白い物が付着して目立つ場合があります。簡単に取れない物は水に含まれているミネラル分(カルシウム・マグネシウム)ですので無害ですが、放って置くとさらに目立ち固着しますので早めに除去しないといけません。
 
  それはミラーの曇りを取る方法と同じですのでそのページをご覧ください。また喫水線あたりに汚れがついたり色が付着することがありますが、主に給湯機の銅配管から出た銅イオンと人から出た脂肪とが反応して喫水線付近に付着したものです。
  また入浴剤(特に炭酸系)を使用すると普通のお湯だけの時よりもつき易くなります。鋳物ホーローは前述のように表面はガラスですので、通常は中性洗剤で取れます。もし取れにくい場合は、入浴剤の項目を参照して下さい。
  なお温泉の使用、硫黄系、鉄泉系の入浴剤はホーロー層だけでなく排水口やハンドグリップなど金属部分も劣化させますので注意が必要です。

 入浴剤を使用する場合は、入浴剤の注意書きをよくご理解の上使用し、使用後は早めに流してしまうようにしなければいけません。そしてお手入れ時には特に喫水線廻りを丁寧に洗って付着している油脂を取り除くように磨いて下さい。